平成25年大相撲春場所 五日目

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初日以来の落ち着きだ。今日の横綱・大関陣は5勝1敗。その1敗は琴欧洲。把瑠都に一方的に敗れて4連敗。「落ち着き」と言うのは琴欧洲に失礼か。

鶴竜が高安に手こずったことを除けば、あとの4人は危なげなかった。白鵬の充実ぶりは続いていて、彼にしては珍しい「とったり」という決まり手で栃煌山を退けた。これも反応の良さ。当たりが強くなく右手が中途半端だった栃煌山の腕をとっさに手繰って省エネ勝利。体が自然にそう動くのだろうな。今場所3大関を破っている栃煌山なので熱戦が期待されたが、足も出ていかず勝負は呆気なかった。初日を切り抜けて以来、白鵬に隙は見当たらない。

日馬富士も今日は本来の相撲だった。相手の妙義龍は同じタイプの力士。低く強く速く当たって相手を突き起こす。自分の前傾姿勢は崩れないし、前にも決して落ちない。こういう相撲は魅力だ。日馬富士はこれを徹底しているので、軽量にもかかわらず横綱に昇進できた。体格的に恵まれている妙義龍にも大関・横綱のチャンスは十分にある、と見る。カギはケガとの付き合い方と稽古の継続だ。

同じタイプ、変なことをせずまともに来る、ということで、日馬富士にも迷いがなかった。どちらがより低く強く速く当たれるか、相手を突き起こせるか。実力・経験の差か、開き直りの境地か、日馬富士がまさった。妙義龍の突きに横綱の左足が流れた場面がありハッとはしたものの、素早く背後に回り込んで送り倒した。妙義龍も速い力士なのだが、今日は完敗。

そして琴奨菊が昨日からいい相撲を取っている。攻めが厳しく、休まない。顔つきも違ってきたように見え、序盤の連敗、加えて同部屋の琴欧洲のふがいなさが相当こたえているようだ(そうであってほしい)。稀勢の里も千代大龍に二匹目のドジョウは許さず、引き技に冷静についていった。

しかし、ここらへんの大関陣はその日暮らしだからなあ。誉めた翌日に負けなきゃいいけど。

上位陣以外の話題も。時天空-阿覧は長い相撲になり(時天空は得てして長い)、時天空のまわしが緩んできたので行司が「まわし待った」をかけて一時休戦。その間に行司がまわしを締め直し、休戦中も体勢は維持しておかねばならない。VTRの一時停止みたいに。動いてしまうと有利不利ができるからね。これはルールだ(暗黙なのか明文化済みなのかは不明)。

だが、動いて組み手をほどいてしまった。おそらく阿覧からほどいたのだと思う。阿覧という力士はロシア出身とはいえ幕内にもう4年以上いるにもかかわらず、相撲の細かいルールをまだ把握できていないフシがある(笑)。以前も「水入り」を知らなかった(このときも相手は時天空。水入りとは取組が長くなって両者が疲労してきたことによる中断)。水入りを知らなかったのだから、まわし待ったも知らなかった可能性は十分ある。おもしろい力士。

テレビの実況は一昨日から中一日で藤井アナ。解説は八角親方。いつも気づきとなることを言ってもらえる。今日メモったのは「すくい投げは前に出ながら投げると決まる。下がりながら投げるとケガに繋がる」。勉強になりました。