平成25年大相撲春場所 十四日目

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1年ぶりに観戦してきた。正面やや東寄りの前から10番目の枡席で3人。1時半から酒など飲み食いしながら、気の合う友だちとああだこうだ言いながら観る相撲は楽しい。VTRもないので「今、下手を取った!」とか細かいところはその時はわからない。が、テレビではわからない熱気がじかに伝わってくる。

大阪出身の豪栄道、勢への声援はものすごい。もう、成績や相撲内容には関係ないね。私はここで豪栄道に厳しいことを書いているが、その雰囲気に負けそうだった(でも席では言いたいこと言ってたけどね)。彼は声援に応える相撲をしなければいけない。それには今よりギアをもう数段階上げることが必要だ。ま、これからも期待せずに見守ることにしよう。

その豪栄道は隠岐の海相手に、今日は自分のペースだった。立ち合い後すぐに右上手を取り、小さな投げで体勢を崩したり崩されたりしながらも寄って行って、最後は右手一本と体の圧力で寄り切った。策のない隠岐の海だから勝てたとも言える。

立ってすぐにまわしを取って自分の形になれるかどうか、豪栄道の勝敗はそこにかかっている。思い通りにならなければ苦し紛れの引き、投げ。我慢して自分の体勢に持ち込もうというのがないから寂しい。それでも勝てて、なんとか関脇の地位を守れているだけに、かえって厄介なのだ。大阪に限らず、応援する声が大きいこともね。

稀勢の里が出てきたときも熱気で盛り上がった。豪栄道といい、稀勢の里といい、実力の片鱗が見えて頑張っているけれど、あと少し!・・・のような力士が応援されて、愛されるのかもしれないな。今日の稀勢の里は日馬富士とお互いに右の張り差し。お互いに失敗した感。日馬富士の体が起きていたので稀勢の里の突き離しが効いた。体勢を戻して左でまわしに一瞬手をかけた日馬富士の俊敏さは立派だが、稀勢の里の左からの強烈な突き落としに転がった。どちらが横綱かわからない相撲。勝った稀勢の里は「どや顔」。自分のゾーンに入ったときの彼は強い。ここらへんは豪栄道や栃煌山と同じだ。館内は割れんばかりだったけれど、そこには日馬富士の呆気ない負け方についての失望の声も混じっていた。

白鵬の所作も美しかった。土俵入りには気品を感じたし、蹲踞(そんきょ。つま先立ちで、膝が折れ曲がるまで深く腰を下ろした姿勢)の姿がきれいで、背中もまっすぐ伸びていた。今日の相手鶴竜には手こずって場内は沸いた。ちょっと熱くなったのかな、白鵬。鶴竜を左で張って、右で張って、下を向いた隙にもろ差し。そこからかいなを返してがぶって寄り切った。取組内容には気品はなかったな。張り手の応酬は私は好きではない。

十両に落ちて苦戦している雅山への拍手も大きくて暖かかった。幕下力士の対戦でも必ず何らかの声援が飛んで、思わぬ力士に応援団がいたりして面白かった。瞬間的に応援する方を決めてしこ名を叫んでいる観客もいたのだろうなあ。技術は拙いが十両に上がろうと必死に取る姿、体がぶつかり合う音、土俵下に落ちる音、現場で見るのもたまにはいいものだ。