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平成25年大相撲初場所 千秋楽

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優勝を決めていた日馬富士が白鵬を退けて、全勝優勝を飾った。見事な復活劇。

終わってみれば今場所は、日馬富士の立ち合いの鋭さ、これ一点に尽きると思う。序盤戦こそ用心深く入っていたが、場所が進むにつれて、その強さと低さに磨きがかかり誰も太刀打ちできなかった。当たられると自分の体勢が崩れてしまって、立て直す前に来る日馬富士の次の攻撃に対応できずに負けてしまうのだ。

今日の相手、白鵬にしてもそうだった。立ち合い後の当たりが強いので一瞬起こされる。その隙に日馬富士の下手が左、右と入る。それも深く入る。肩まで入って、完全に密着している。白鵬がこんな格好ですぐにもろ差しされるのは極めて珍しい。

そのまま寄られるのを右に回り込んで避けた白鵬は、その流れに乗じて右の上手を取ろうと手を伸ばす。が、日馬富士は腰を振って取らせない。この対応も見事。しばらく動きが止まる。白鵬はもろ差しを許し、自分は抱えているだけという不利な体勢。どうやって打開するのか。

白鵬は腰を振って日馬富士の右下手を切る。その瞬間に、それを待っていたかのように、日馬富士は切れた右手を抜いて、左下手からの投げ。よく見ると抜いた右手で白鵬の右足に素早く手を掛けている。それが難なくできるほど、日馬富士の体勢は低かった。

こらえるために再び体が起きて、無防備な状態の白鵬。そこに日馬富士は再度密着していき、右で今度は前まわしを引き、寄り立てる。白鵬は苦し紛れに右からの投げで逆転しようとするが間に合わず、土俵下に落ちた。

「日馬富士に(大相撲界の)主役の座を取って代わられるかもしれないね」解説の北の富士さんは言った。確かに一方的な相撲だった。白鵬にいい所はなかった。もろ差しをすぐ許した。そう指摘するのもわかるけど、白鵬からすれば、星の差二つ、優勝はもう決まってしまった、日馬富士にいい立ち合いをされた、これらで勝利への執着心が薄れたことは否めないと思う。危機感を持って望むであろう翌場所の白鵬に期待する。

しかし、横綱決戦とは、一方的になっても、いい相撲になっても、いろいろ思う所はあるものだ。

今日の朝刊に日馬富士の「(万全でない)足がよくもってくれた」という、優勝後のコメントが載っていた。不安を抱えながらの毎日だったんだな。十五戦全勝は素晴らしい。恐れ入った。これで足が治るとどこまで強くなるのだろう。

今場所は横綱の強さが目立った反面、若手の活躍が見られなかった。先場所湧かした松鳳山は三役を意識したのか相撲を崩し、舛ノ山も勝てなくなった(相手に研究されたのか)。前半よかった栃乃若、宝富士、北大樹もだんだん失速(勝ち越せたけど)。妙義龍は別人のように前に落ちたりあっさり寄り切られたりで、とても残念。豪栄道と栃煌山は(期待してなかったけど、やっぱり)八勝七敗で、なんとか勝ち越しただけ。そして把瑠都は大関復帰ならず。

大関陣も鶴竜と琴奨菊は八勝どまり。稀勢の里はいい兆し(粘り強い相撲)が見えたのに、肝心の相手にそれができない。ただ、琴欧洲は白鵬戦で見せた素早く前まわしを取る相撲が二日間続いた。今日も落ち着いていた。これが来場所に続くかどうか(期待はしないけど)。

高見盛は今日は下手をうまく取る、彼ならではの相撲で勝ったが、幕下陥落は決定的で、引退を表明した。今日のお客さんからの拍手は鳴り響いていた。それが引退を思いとどまらせるのでは、と期待したのだが、決意は堅かった。特徴ある力士が、また去る。苦労人の武州山も引退。

満員御礼が(優勝決定後の)今日も含めて六回出た。二人横綱の効果かな。東京では人気回復傾向?来場所の大阪ではどうだろう。友だちにお願いしているので私も見に行く予定。

日馬富士を中心に回った、平成二十五年初場所(一月場所)終了。

平成25年大相撲初場所 十四日目

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日馬富士が鶴竜を寄り切って、横綱としての初優勝を決めた。九勝六敗だった先場所の汚名を返上。相撲協会からしても、この結果は胸をなで下ろすものだろう。もし今場所も九勝、十勝なら、世間から何を言われるかわからなかっただろうから。

やっぱりクライマックスは昨日、一昨日だったな。三人による優勝争いと星のつぶし合い。星の差二つで十四日目を迎えてしまうと、トップの日馬富士の取組に興味の大部分を持って行かれる。加えて、優勝は日馬富士でほぼ決まりだろう、という雰囲気。今日の相撲は”落ち着いて”見られた。

日馬富士は今日は簡単ではなかった。鶴竜が抵抗を見せた。横綱は今日も低く鋭く当たって鶴竜の体を一瞬起こした。ここまでは昨日までと同じ。しかし鶴竜の右手は横綱にのど輪気味に入っており、続けて左手を顔を張るように繰り出して日馬富士の顔を揺さぶる。上体が起きかける日馬富士。その隙に鶴竜の手がまわしに伸びる。右に動いて取らせまいとする日馬富士。この反応の良さは見事だ。おそらく体は勝手にそう動いているのだろう。いい稽古をたくさんしている証拠。

右に回り込んだが、結局右四つに組み止めた。日馬富士は左上手と右でもまわしを取り、鶴竜は右下手のみ掴んでいる格好。四つ相撲がうまい鶴竜に左は取らせたくない。案の定、鶴竜の左手が取ろうとして伸びてくる。しかし前傾で少し半身の日馬富士の右腰は遠い。届かない。鶴竜は反対側の日馬富士の左上手を切ろうとして体をひねる。でも切れない。横綱の両手でがっちり捕まえられている鶴竜。

困った鶴竜は左を巻き替えにいった(左上手は届かないので左下手を取ろうとして日馬富士の右腕の内側に左手を差し込もうとした)。それを予想していた日馬富士。巻き替えのときに前に出るのは相撲の鉄則。体が一瞬起きてしまうからだ。巻き替えにきたのとほぼ同じ瞬間に(これも反応の良さ)鶴竜のまわしを引きつけて寄って行く日馬富士。土俵際。懸命にこらえる鶴竜。なんとか押し戻した。場内から大きな拍手。

こらえたものの、結局巻き替えに失敗した鶴竜。状況は変わっていない。そこで、もう一度巻き替えにいった。これは強引だったのか、はたまた相手が安心した隙に再度試みる方がよかったのか?もう巻き替えしかなかったのか?私にはわからない。日馬富士に隙はなかった。再び引きつけて寄り。渾身の寄り。見ている側も力が入る。こらえていた鶴竜、とうとう力尽きて土俵を割った。

鶴竜の踏ん張りのおかげで熱戦になった。優勝決定にふさわしい内容。スピード、勝負勘、勝機を逃さぬ執念。これぞ日馬富士だ。

明日の千秋楽結びの一番、横綱対決にも期待が高まる。きっと魅せてくれるはず。優勝が決まっていても、こういうワクワク感を起こさせてくれる、大相撲の醍醐味だ。

日馬富士が全勝優勝で復活したら、かっこいいなあ。

平成25年大相撲初場所 十三日目

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平日なのに満員御礼が出た十三日目。世間ではイマイチだが、相撲ファンの間では盛り上がっている。優勝の行方を左右する稀勢の里-日馬富士戦は日馬富士があっさり送り出して全勝を守った。稀勢の里の優勝の可能性は消滅。白鵬、高安は二敗をキープ。明日、日馬富士が鶴竜に勝てば優勝が決まる。十四日目に決まってしまう。

日馬富士は今日も俊敏だった。稀勢の里は顔を張ってもろ差し狙いの作戦。横綱を張るなんて、稀勢の里くらいしかできないよ。日馬富士は張られたものの、低い前傾姿勢は保たれ、左脇も締まっていた。稀勢の里の左はすぐ入ったが、右は差せない。不十分で腰も高いが、稀勢の里は前に出てきた。作戦で決めていたのだろうな。

この状況で日馬富士は右上手を取るのをやめて、左に移動して稀勢の里の体と距離を離しながら、右手を相手の首に巻くようにして引っ張って、押さえつける動きに出た。当たってから左に動く、今日もこのパターン。稀勢の里はそれに導かれるようについていった。前に出た勢いが、頭を押さえられたのも手伝って、止まらない。横綱は左への回り込みを続けた。大きな稀勢の里の足が止まったのは土俵際。体がすっかり離れていた日馬富士はその背中について、送り出した。

張られて左を差されて出て来られて、日馬富士は慌てたはずだ。なので思わず頭を押さえつける行動に出た。稀勢の里がまわしをつかんでいればなあ。日馬富士に左に回り込まれても、しっかりついて行けたと思う。そういう意味で稀勢の里は急ぎすぎた。一昨日まではじっくり待てていたのに、昨日の鶴竜戦からまた落ち着かない相撲に戻ってしまった。優勝争い、プレッシャーを意識して、精神的な問題かな。これを克服しなければ、稀勢の里はひと皮剥けられない。熱戦を期待しただけに、あっけなかった。

白鵬はこれに気落ちせず、鶴竜を左から押っつけて横を向かせてから寄り切った。完勝。だが、そこに行くまでのこの二人ならではの前さばきの攻防(=下手を差す、防ぐ、巻き替える、また差しにいく、などの素早い動き)は見ごたえがあった。鶴竜には簡単に横を向いてほしくなかった。

把瑠都は高安に完璧な相撲をされて六敗目。大関復帰ならず。粗い相撲を取る大雑把な人だけど、大関じゃないのは寂しいな。キャラ的には必要だ。勝ち越しはできるだろうから、関脇には残れるだろう。これからの把瑠都という力士の位置付けに注目。

高見盛は九日ぶりの勝利。客席から大歓声。残り全部勝てば十両に残れる可能性もわずかにある。

あす十四日目に優勝が決まる可能性が濃厚。実況は藤井アナ。優勝が決定する日の担当は、実は久しぶりになる。
そうなるだろうな、多分。