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平成25年大相撲夏場所 三日目

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今日のテレビの解説の舞の海氏は言った。「日馬富士が横綱の地位をずっと守っていくのは『いばらの道』です」と。

昨日のこの観戦記の最後で隆の山のことを書いた。「細くて小さくて幕内には定着できなくても、拍手をもらえる相撲は取れる」。幕内に定着できなくても・・・。図らずも前提条件のように書いてしまった。もちろん日馬富士と隆の山とでは実力差がありすぎるが、泣き所は似ている。そして、日馬富士は横綱に定着しなくてはならない。できなければ、待っているのは「引退」の二文字。大げさなようではあるけど、日馬富士という力士がこれからどのような生き様を見せてくれるのか、注目したい。(実は好きなのですよ、日馬富士のことは)

足首のケガさえなければなあ・・・。本人に代わって勝手につぶやいておいた。

その日馬富士、連敗は免れた。寂しいが、「免れた」という表現がピッタリだった。相手は自身の最高位、前頭二枚目まで上がってきた北太樹。攻めが早くて気っ風のいい相撲を見せてくれる力士で、私は幕内に上がった頃からずっと密かに応援している。いい時期悪い時期を繰り返しながら、やっとここまで来た。

そんな北太樹には申し訳ないのだが、日馬富士にとっては圧勝しなければならない相手だ。負けた翌日に彼と対戦するのはラッキーだと言える。しかし、土俵際まで押し込まれること二度、最後もなんとか上手投げで切り抜けたという格好だ。自信喪失がうかがえる取り口。立ち合い後の張り手が全く効いていないのが寂しさに輪を掛ける。まあ、勝ちは勝ち。復調を待とう。

では白鵬は万全かというと、本当はそうでもないのだ。それでも星を拾っていける、白鵬の強さ。

向正面の解説は中立親方(元・小城錦)。幕内解説は平成23年秋場所以来。舞の海氏とはまた異なる理論派でおもしろかった。

平成25年大相撲春場所 千秋楽

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荒れた春場所も、終わってみれば白鵬の9回目の全勝優勝。8回の双葉山、大鵬を抜いたとされる。優勝回数24は北の湖に匹敵。白鵬の独壇場だった時期が長く(今もか?)強さは単純に比較できないものの、名横綱であることは間違いなかろう。

横綱対決を心配していた。昨日も横綱らしからぬ負け方で集中力がぷっつり切れたと思われる日馬富士。一方、様々な記録がかかる白鵬。立ち合い後すぐに日馬富士がばったり落ちる光景が目に浮かんでいた。

しかし日馬富士は今できる限りの抵抗はしてくれたと思う。突き刺さるような立ち合いは今日は有効で、自然に左四つに組み合った。日馬富士はまわしを引きつけて土俵際まで寄ったが、白鵬は左からの上手投げでこらえた。解説の北の富士氏は日馬富士が寄るときに外掛けをかけても面白かったと指摘。なるほど。日馬富士が体調万全ならそうしていたかも。

日馬富士は続けて寄り立てたが、白鵬はなんとか我慢し、土俵中央まで戻した。そしてすかさず腰を振って日馬富士の左下手を切った。日馬富士は右上手一本、白鵬は左下手一本で半身の状態。体勢は前傾姿勢の日馬富士が有利。

白鵬は右手で日馬富士の腰をポンと叩いた。これを白鵬はよくやる。まわしを取りにきたかと思った日馬富士の体がピンと動く。それに乗じて白鵬は左からの下手投げ。この合わせ技がうまい。日馬富士は左足一本でケンケンして残した。足首を傷めているのによく残した。

残して体勢が戻る際に日馬富士はまた左下手を取った。そして右を巻き替える。成功して右も下手になればもろ差しだ。しかし成功した瞬間に白鵬にも右を巻き替えられた。これで右四つのがっぷりに変わった。この一連のお互いの動きの素早さ。スローで見ないとわからないほど。

長い膠着状態。お互い何を考えているのか。白鵬は意を決してまわしを引きつけ日馬富士を起こして、右にカニ歩きに近い形で寄って行った。いわゆる「横づり」。白鵬は右の下手を取っているので、右に横づりするのが定跡だ。基本通りの手堅い相撲。土俵に左足が当たって、そこで再び一本足でこらえる日馬富士。足首は大丈夫か。最後は崩れるように落ちて、左足をかばう日馬富士。手に力が入る熱戦だった。汗びっしょりの白鵬は今日も間違えて東に戻りかけるほど、集中していた。15個目の白星は簡単ではなかった。

さすが横綱対決。日馬富士は結局6敗もしてしまい、きっと横綱審議委員会のおっさん連中からは苦言が呈されるだろうが、今日の相撲は評価してあげてほしい。

優勝インタビューで白鵬は、1月に亡くなった大鵬さんへの黙祷を提案し、館内全員で行った。これには驚いたが、その気持ちが嬉しかった。自分が強くなっても先人を敬い尊ぶ心。人間的にもかなわない人だ。

雅山の引退も、覚悟はしていたけれど、大きなニュース。大関にまで上がって、陥落してからも腐ることなく真摯に相撲を取り続けた。引き技は私は好きではないのだが(好きだという人はまずいまい)、雅山のは別格。引く前の押し、駆け引き、引くタイミング、それらが組み合わさった名人芸だった。若手が苦し紛れに引くのとはモノが違う。が、年齢には勝てず、押す力が弱くなって通じなくなった。これからは二子山親方となって、ゆくゆくは部屋を再興するのかな。

問題の大関陣は稀勢の里が10勝、琴奨菊と鶴竜が8勝どまり、琴欧洲は休場で来場所カド番。もうここらに期待しても仕方ない。
豪栄道、栃煌山は10勝で、大関を狙うにはまだ遠い。稽古してひと皮剥けるのはいつの日か。把瑠都は9勝、白鵬キラーとしての存在を期待する。

体調が悪かった安美錦に代わって新小結に上がりそうなのが隠岐の海。跳ね返されるだろうが、1人でも上位陣を倒せるか。前頭上位に上がってくる北太樹にも同じことが言える。

今場所は藤井康生アナのテレビの実況が4回、ラジオが2回もあった。千秋楽の北の富士、舞の海、藤井による場所の振り返りには今日も楽しませてもらった。隠岐の海についての談義は、ここで文字に起こしたいくらいだった。

今回もお付き合いありがとうございました。また、来場所。

平成25年大相撲春場所 十一日目

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中継で大村崑氏を発見。神田川氏は毎日、正面の桟敷席にいる。今場所は吉本の芸人さんを見ないなあ。今日は祝日。6回目の満員御礼。

全勝の白鵬、二敗の隠岐の海ともに勝った。昨日の把瑠都に続き、今日の琴奨菊にも白鵬との熱戦を期待した。白鵬は琴奨菊と組むのを避けるため、立ち合い後左で相手の右腕を抱え込み、左に動いて琴奨菊に左を差させないようにした。続いて激しい差し手争い。

その間の琴奨菊の出てくる圧力が強かったので、白鵬は首投げ気味に珍しくも引く動作を見せた。湧く館内。白鵬でもこんなことがあるのだな。しかし琴奨菊がぴったりくっついてくるのを感じ取るや否や、首を引っ張るのをやめ、逆に押し戻すように持っていき、琴奨菊の勢いを削いだ。この反応の良さ。琴奨菊の体は起きて、結局左四つの格好になった。

白鵬が避けた組み手になったのだ。ここで琴奨菊にいい策はなかったものか。琴奨菊は”素直に”右の巻き替えにきた。体を密着させて下手を差し込む隙間をなくし、それを防いだ白鵬。ここだ。この次の手が琴奨菊に欲しかった。巻き替えにいったけど阻まれた、これでは白鵬には勝てない。将棋の読みのように、白鵬の先の動きまで読んで、次々に動かなければ。

ところが先に動いたのは白鵬の方だった。巻き替えを防いだ後に腰を振って琴奨菊の左下手を切って体を寄せると、琴奨菊は呆気なく土俵を割った。反撃に備えて低く下ろされていた白鵬の腰が印象的だった(結果的に低く下ろす必要はなかった)。両者の力の差は歴然だ。

隠岐の海は千代の国の勢いに押されてハッとする場面があったものの、首投げに頼る千代の国の荒さにも助けられて、落ち着いて寄り切った。「微弱ながら頑張ります」とのコメント。ちょっとは欲が出てきたか?彼次第で優勝決定日が決まるからね。

日馬富士、稀勢の里、把瑠都、栃煌山、妙義龍、北太樹。いずれも危なげなく勝利。栃煌山、妙義龍はここ数日はいい相撲。北太樹は3場所連続の勝ち越しを決めた。

テレビ中継の「綱の系譜」のコーナー。今場所は北勝海(八角親方)。
「稽古は好きではないけれど、稽古しなければ勝てない。言い換えると稽古すれば勝てる。稽古は嘘をつかない」
稽古を大切にする心も加味されて横綱に推挙されたという力士。今はここまでする人はいないのかな。私も自分の身に置き換えて襟を正していかなくては。