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平成25年大相撲春場所 三日目

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三日目にして横綱・日馬富士に早くも土。言い古された言葉だが、勝負事は本当に何が起こるかわからない。だから面白い。番狂わせがなかったら、誰も見ない。

とは言うものの、敗因がお粗末だった。100パーセント油断。相手の高安は先場所12勝して地位を上げてきた、期待の星。しかし上位との力の差はまだあり、昨日は白鵬に全く歯が立たなかった(昨日は白鵬が完璧だったこともあるが)。押っつけ(=体を押すこと)がうまくて力も強いので、相手としては立ち合い後からそれを喰らわずに捕まえれば、大丈夫だ。

日馬富士は今日も低く当たって、左の下手がすぐ入り、右でも体を押さえつけた。高安はやっぱり脇が甘い(兄弟子の稀勢の里にそっくりだ。余談)。そのうち右も下手になり、すなわち横綱がもろ差し。こうなれば高安に勝ち目はない。押されて土俵際に。誰もが日馬富士の勝ちを確信した。実況の藤井さんも「寄り切り」と言おうとしたそうだ。

そのとき、日馬富士の左足が流れてしまった。体の動きに足がついていかない格好で土俵に着いてしまった。高安も苦し紛れに突き落とすような素振りをしていて、それも効いたと思っていたのだが、ビデオで見るとほとんど関係ない。日馬富士の自滅だ。体勢十分のもろ差しで土俵際まで寄って「もう勝った」と思った瞬間の心の隙。

慌てる必要はなかった。足を大事に運べばよかったし、もっと安全策をとってまわしに手を掛けておいてもよかった。まさかの一敗。もったいない。

白鵬は、まるで昨日のビデオのようだった。左で前まわし、右で下手。あっという間の出来事。舞の海さんが解説するように、ここから無理に寄って行かないところが、白鵬の余裕だ(日馬富士にはこれがなかった)。相手の栃ノ心の状況を肌で感じて、バランスを崩していると判断するや、揺さぶって、その流れで上手投げ。きれいに決まった。

そして、今日も大関が3人敗れた。鶴竜、琴奨菊、琴欧洲。いずれも惜しい負けとは言い難い。もう詳しく書くのはやめておこう。琴欧洲を教える立場にある秀ノ山親方の解説だけ紹介する。

「(弱点と対策は)これまで何度も教えているが、できない、直らない」

残念だけど、これでは打つ手がない。

今日の幕内の放送は舞の海、秀ノ山、藤井アナで、技術的な話題が多く、通好みだった。
十両は式秀、吉田アナ。式秀親方は本当によく喋る。取組中に叫んだりする。変わった人だ(笑)。高見盛より変わってると思う。そして、言うことが的確なのが憎いところ。

さあ、日馬富士にもう油断は許されない。

平成25年大相撲初場所 十一日目

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十両にいる高見盛が負け越してしまった。幕下の千昇に押されて簡単に土俵を割った。元気な頃なら土俵際で体を反りながら残して、うっちゃったりしていたのだが、最近はそういう姿が見られなくなってきた。七勝なら来場所十両残留、六勝以下なら幕下へ陥落すると言われている。現在は三勝。残りは四日間。引退の判断も含めて、状況は厳しい。思うような相撲が取れないなら、潮時かな。

今場所も十両でいい取組が多い。小さい体の里山は相手の懐に潜って頭をつけて、連日の長い相撲。勝っても負けても拍手が湧く(=お金の取れる相撲)。双大竜もそうだ。大きい体の大喜鵬も、意外と小回りがきくので面白い。幕内に上がるとたいてい跳ね返されてしまうのだが、十両は十両で独特の世界がある。

さて日馬富士、白鵬、稀勢の里。今日もいずれも勝って星の差は変わらずだった。対戦相手との力関係からすると、三人とも勝って当然と予想していた。波乱は起きなかったね。

しかしさすが稀勢の里!ヒヤッとさせてくれた。立ち合いが高く(=仕切りから立ったときの姿勢が高い。前傾が不十分)、当たりの威力もあまりなかったので、魁聖の力をまともに受けてしまい土俵際まで一気に押し込まれた。ここが横綱と決定的に違うところ。なんとなく相撲していると言うか、意図がないと言うか、集中力がないと言うか。押されて目が覚めて慌てて体を左にかわしながら相手を押すと、勢いがついていた魁聖は立ち止まるのが精一杯。ダメを押されて土俵の外に。相手が魁聖で助かった。対戦前の解説でラジオの秀ノ山親方(元・琴錦)「正直、稀勢の里に負ける要素が見つからない」テレビの谷川親方(元・北勝力)「まず、勝つでしょう」。にもかかわらず、これ。ま、勝ったからいいけどね。目が離せない力士だよ、全く。

日馬富士の速攻は今日も色あせない。相手はまわしを取らせると厄介な琴欧洲(=まわしを取らせなければよい)。低く鋭く当たって軽くのど輪も交えて琴欧洲の体を起こした。一旦離れて、またぶつかる素振りを見せてから頭をちょっとすくめ(これが憎い)左に少し動いて上手を取って横についた。向き直ろうとした琴欧洲はバランスを大きく崩し、自ら倒れてしまった格好だ。勝った後、日馬富士は左足首を気にしていた。また傷めたのか。心配だ。

白鵬もずっと同じパターン。立ち合い後すぐに左上手、そして右差し。今日はここからが違った。琴奨菊に上手を切られた。右差しも浅い。危険を感じたのだろうか、ここで白鵬は両手を抜いて突っ張りに出た。この判断の速さ。しかしその後の流れで左四つ(お互いに左下手、右上手)になってしまった。左四つは琴奨菊の得意な形。案の定琴奨菊に押し返されて、こらえた。琴奨菊は白鵬の下手を切る動作。でも切れない。が、白鵬にとっては形が良くない。すかさず右を巻き替えて(=上手を離してあらためて下手として取り直す)もろ差し(=左右とも下手)になった横綱は、一気に寄って琴奨菊を押し出した。琴奨菊は得意の左四つになったときに何かできなかったかなあ。投げで崩すなり、引きつけて前まわしに持ち替えるなり。相手は白鵬。チャンスは一瞬しかない。それを逃さない勝負勘の面で、まだまだ白鵬には及ばない。

全勝:日馬富士、一敗:白鵬、二敗:稀勢の里と高安。状況は同じ。把瑠都も押し相撲が復活して五敗を守った。
稀勢の里と横綱の対戦は明後日から。このまま行くのか。行ってほしい。

明日のラジオの実況は藤井アナ。最近は一場所一回のみ。

平成25年大相撲初場所 五日目

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両横綱は今日も安泰。日馬富士は相手の豊響があっさり前に落ちて、楽勝。これも立ち合いの強い当たりがあったればこそ。白鵬は予想に反して今日は張り差しせずに、相手・栃煌山のお株を奪う素早いもろ差し。盤石の相撲。栃煌山の脇の甘さは相変わらず。結びの二番がしっかり決まると、落ち着く。

大関陣は琴奨菊、琴欧洲の佐渡ヶ嶽部屋勢が揃って敗れた。琴欧洲はまわしを取って寄っていったのに、土俵際で豪栄道にすくい投げで逆転された。これは本当によく見るパターンだ。ここで以前書いたように、琴欧洲は投げの打ち合いに弱すぎる。

琴欧洲のような大柄の力士は、上手でも下手でもまわしを取れれば有利になる。相手をつかまえられるし、力が強いので相手に残された選択肢が狭まる。取れれば見ている方もまず安心できるのだが、彼には「逆転される」という落とし穴がある。これは一向に直らない。

佐渡ヶ嶽部屋で指導する立場にあり、今日のテレビの解説の秀ノ山親方(元・琴錦)によると、本人には何度も注意しているそうだ。まわしを取ったら落ち着いて、引きつけて相手の体を起こしてから攻めればよい、と。本番になるとそれができないのは白星欲しさの焦りだろうか、と言っていた。

加えて「琴欧洲の対戦相手は不利な形になっても、投げを狙っている」とも指摘した。そりゃそうだよな。これだけ逆転される姿を見せれば、相手も諦めないよなあ。こんな「組みしやすい大関」になってしまっているのはとても残念だ。

把瑠都は松鳳山を豪快に振り回して三勝目。荒々しい、彼しかできない相撲。やっぱりこういう力士も上位にいてくれなくては面白くない。
北大樹は速攻が鮮やかに決まり五連勝。体がよく動いている。無敗は日馬富士と北大樹だけ。

十両では小兵力士の里山が三分近い相撲の末、常幸龍に勝利。見ている側も思わず力が入った。これも大相撲の魅力。小さな体の懸命な姿に客席から大きな拍手が起きた。

解説の北の富士さんは珍しくカジュアルな格好だった。何を着ても似合うね!風邪引かないでよ!(よく場所中に風邪を引かれるのです)