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平成25年大相撲春場所 九日目

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白鵬は脂が乗ってきた。好調の豊ノ島に左まわしは取れなかったものの、反対側の差し手(豊ノ島から見て左差し。豊ノ島にこれを取られると厄介)は許さず。豊ノ島は右を差して白鵬のかいなを返しかけた(バンザイの体勢)が、横綱は素早く逃れてのど輪攻め(喉を手のひらで押し上げること)。体が反ってしまった豊ノ島。のど輪をタイミング良く外されると、つっかえ棒がなくなった反動でバタンと前に落ちた。

なにしろ白鵬の一連の動作が速い。負ける気配がない。全勝優勝するとその回数が歴代単独トップになる(現在の1位は双葉山、大鵬、白鵬の8回)。狙っているだろう。今場所はチャンスだ。それを目標に定めると、他の力士が一敗であろうと二敗、三敗であろうと関係ない。数字の記録というのは、そういう背中の押し方もしてくれるのだね。

全勝が白鵬。一敗はいなくて、二敗が昨日は10人くらい、うじゃうじゃいた。今日終わってみると、二敗に残ったのは琴奨菊と隠岐の海の2人だけで、うじゃうじゃ軍団が3敗にこぞって落ちた。ま、もう白鵬優勝で決まりだからいいんだけど、なんだかなあ。

うじゃうじゃ軍団に把瑠都もいる。日馬富士に引きずり下ろされた。今日の日馬富士の当たりはそこそこ強く、押し込まれた把瑠都は力任せに前に出た。大雑把さ、健在。押し返された日馬富士は土俵際で体をかわして突き落とすと、把瑠都は昨日に続いて土俵下に飛んだ。まったく、よく飛ぶ人だ。もうちょっと緻密さがあれば、強い横綱になると思うのだがなあ。日馬富士は突き落とす際に左膝を傷めたっぽい。明日からどうなるだろう。

二敗に、素質は十分なのにのんびりしていて伸び悩んでいる、隠岐の海さんがいるではないか!びっくりした。いたんだね!今日も舛ノ山を早めに捕まえたものの抵抗にあって、苦労した末に寄り倒した。肺が小さくて息が上がっている舛ノ山を土俵から心配そうに見つめる隠岐の海。いい青年だ。ひょっとして力士に向いてないんじゃないか?昨日、常幸龍に左四つで勝ったことを質問されて

「自分は右四つの方がいいと思うんだけれど、どうしても左四つになってしまう。ただまあ、のびのびは取れてますかねえ」

(のびのび取れてたら、いいんかい!)

先場所は前頭10枚目という地位で8勝7敗で勝ち越した隠岐の海は

「勝ち越してもあの番付(地位)で8勝ではダメだ、と周りから厳しい声を掛けられた。勝ち越して厳しい声を掛けられたのは初めてで、今場所はもっともっと勝たなければダメだなあという気持ちで土俵に上がっています」

(厳しい声を掛けられたのは初めて??そんなことないよ!あなたが気づいてないだけ!)

ホントにもう、隠岐の海の人柄がよく出ている話で、笑ってしまった。放送席に、いつも彼に厳しい北の富士さんがいたのだが、感想を聞いてほしかったなあ。

いろんな力士がいるでしょ。だから面白い。だから優勝がほぼ決まっていても見てしまう。

平成25年大相撲初場所 千秋楽

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優勝を決めていた日馬富士が白鵬を退けて、全勝優勝を飾った。見事な復活劇。

終わってみれば今場所は、日馬富士の立ち合いの鋭さ、これ一点に尽きると思う。序盤戦こそ用心深く入っていたが、場所が進むにつれて、その強さと低さに磨きがかかり誰も太刀打ちできなかった。当たられると自分の体勢が崩れてしまって、立て直す前に来る日馬富士の次の攻撃に対応できずに負けてしまうのだ。

今日の相手、白鵬にしてもそうだった。立ち合い後の当たりが強いので一瞬起こされる。その隙に日馬富士の下手が左、右と入る。それも深く入る。肩まで入って、完全に密着している。白鵬がこんな格好ですぐにもろ差しされるのは極めて珍しい。

そのまま寄られるのを右に回り込んで避けた白鵬は、その流れに乗じて右の上手を取ろうと手を伸ばす。が、日馬富士は腰を振って取らせない。この対応も見事。しばらく動きが止まる。白鵬はもろ差しを許し、自分は抱えているだけという不利な体勢。どうやって打開するのか。

白鵬は腰を振って日馬富士の右下手を切る。その瞬間に、それを待っていたかのように、日馬富士は切れた右手を抜いて、左下手からの投げ。よく見ると抜いた右手で白鵬の右足に素早く手を掛けている。それが難なくできるほど、日馬富士の体勢は低かった。

こらえるために再び体が起きて、無防備な状態の白鵬。そこに日馬富士は再度密着していき、右で今度は前まわしを引き、寄り立てる。白鵬は苦し紛れに右からの投げで逆転しようとするが間に合わず、土俵下に落ちた。

「日馬富士に(大相撲界の)主役の座を取って代わられるかもしれないね」解説の北の富士さんは言った。確かに一方的な相撲だった。白鵬にいい所はなかった。もろ差しをすぐ許した。そう指摘するのもわかるけど、白鵬からすれば、星の差二つ、優勝はもう決まってしまった、日馬富士にいい立ち合いをされた、これらで勝利への執着心が薄れたことは否めないと思う。危機感を持って望むであろう翌場所の白鵬に期待する。

しかし、横綱決戦とは、一方的になっても、いい相撲になっても、いろいろ思う所はあるものだ。

今日の朝刊に日馬富士の「(万全でない)足がよくもってくれた」という、優勝後のコメントが載っていた。不安を抱えながらの毎日だったんだな。十五戦全勝は素晴らしい。恐れ入った。これで足が治るとどこまで強くなるのだろう。

今場所は横綱の強さが目立った反面、若手の活躍が見られなかった。先場所湧かした松鳳山は三役を意識したのか相撲を崩し、舛ノ山も勝てなくなった(相手に研究されたのか)。前半よかった栃乃若、宝富士、北大樹もだんだん失速(勝ち越せたけど)。妙義龍は別人のように前に落ちたりあっさり寄り切られたりで、とても残念。豪栄道と栃煌山は(期待してなかったけど、やっぱり)八勝七敗で、なんとか勝ち越しただけ。そして把瑠都は大関復帰ならず。

大関陣も鶴竜と琴奨菊は八勝どまり。稀勢の里はいい兆し(粘り強い相撲)が見えたのに、肝心の相手にそれができない。ただ、琴欧洲は白鵬戦で見せた素早く前まわしを取る相撲が二日間続いた。今日も落ち着いていた。これが来場所に続くかどうか(期待はしないけど)。

高見盛は今日は下手をうまく取る、彼ならではの相撲で勝ったが、幕下陥落は決定的で、引退を表明した。今日のお客さんからの拍手は鳴り響いていた。それが引退を思いとどまらせるのでは、と期待したのだが、決意は堅かった。特徴ある力士が、また去る。苦労人の武州山も引退。

満員御礼が(優勝決定後の)今日も含めて六回出た。二人横綱の効果かな。東京では人気回復傾向?来場所の大阪ではどうだろう。友だちにお願いしているので私も見に行く予定。

日馬富士を中心に回った、平成二十五年初場所(一月場所)終了。

平成25年大相撲初場所 七日目

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元横綱大鵬の納谷幸喜さん死去のニュースが十両の取組中に伝わってきた。私の記憶に残っている最初の横綱は大鵬だ(柏戸の記憶はなぜかない)。取り口などは覚えてないが、史上最多でまだ破られていない32回の優勝回数が示すように大横綱だった。貴乃花とも朝青龍とも白鵬とも親交があったと聞いている。それだけ慕われていた。明日からのテレビ中継で大鵬の取組がいくつも放送されることだろう。

上位陣は琴奨菊を除いて安泰。両横綱が安定している。日馬富士は連日の速攻。見ていて気持ちがいい。相手は大きい魁聖。まわしを与えたら力で持って行かれる。日馬富士は立ち合い後すぐに強烈なのど輪。狙っていた。魁聖はたまらず横向きに逃げた。その機を逃さず左上手を取って出し投げ。動き始めている大きな体は止まらない。振り回された魁聖の後ろについた横綱は、丁寧に送り出して決めた。この一連の動きがスムーズだ。これからの日馬富士も楽しみになってきた。

白鵬も豊響相手にすぐ右を差した。豊響も一応左脇を締めて対抗したが、難なく差されて左上手も取られた。横綱十分、いや十二分の体勢。豊響も力が強いので土俵際まで押されたものの、危ない感じは全くせず、余裕だ。横綱は左に回り込んで相手について来させ、その勢いも利用して左からの上手投げ。苦し紛れの投げではない。考えられた、完璧な相撲。おそらく自然に体がそう動いているのだろう。強い。格が違う。横綱が慌てさせられる相撲も面白いが、このようなタイプの違う落ち着いた取組を最後に二番見られて、納得だ。

テレビの解説は相撲協会・前理事長の武蔵川親方(元・三重ノ海)。昨日に続いて珍しい顔。武蔵川さんも定年だからね。理事長時代は不祥事の対応に追われたため厳しい顔しか見られなかったが、今日は一人の力士・親方としての顔だった。安心した。私の小さい頃、三重ノ海の名前もよく耳にした。成績を確認すると、大関・関脇時代が長かったのだなあ。横綱在位は六場所だ。今日の放送では懐かしい映像、懐かしい力士がいっぱい出てきた。大鵬、輪島、旭國、・・・。一時代を築いた人だ。

横綱に昇進したときに先代の武蔵川親方から「一簣功(いっきのこう)」という言葉を贈られたそうだ。簣(き)は土を運ぶ篭(かご)のこと。土を入れて一つずつ運んでいかないと大きな山は作れない。上に行くほど運ぶのが辛くなる。そして最後の一つを積み上げないと山は完成しない。
私も肝に銘じます。

琴欧洲は前傾姿勢かつ腹が大きい臥牙丸の前まわしを引いて出し投げの勝利。手が長い彼しか取れない相撲。
松鳳山は粘ってこらえて残して諦めず、逆転の小手投げで客席を沸かせた。相手は大関の琴奨菊だった。
豪栄道の相撲が粗くなってきた。まわしを取れなかったら引いてしまう悪い癖。二桁勝利をあげれば来場所は大関獲りで盛り上がるのに。

舛ノ山は相手のまげに指が入ってしまって反則負け。残念!もちろん故意ではない。客席からも解説陣からもブーイング。
雅山、今日は気迫を見せたが七連敗。

隆の山は魅せた。とったり、一回転、うっちゃり。取り直しになって立ち合いに当たらず右に思い切り変わって、千代の国が鉄砲玉のように土俵の外へ飛んで出た。隆の山の涼しい顔。千代の国の悔しい顔。

午前十時にチケットが売り切れ、札止めになった。相撲人気上昇傾向、か?

ラジオで沢田石和樹アナが栃乃若を「たかのわか」と実況。解説の北の富士さんが指摘。
「たかのわか??オレの聞き間違いかな?(笑)」「いえ、栃乃若です・・・」