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平成25年大相撲夏場所 初日

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上位陣は関脇まで含めて安泰で始まった。日馬富士は全勝優勝した初場所のような素早い動き。白鵬は栃煌山に一瞬すくわれかけたが落ち着いてさばいた。

場所前の大きな話題は稀勢の里が出稽古(でげいこ)に出たこと。練習相手を求めて他の部屋に出かけていくことを出稽古という。同部屋の力士ばかりを相手にしていては、手の内もわかってきて緊張感もなくなる。横綱・大関クラスの立場からすると、自分と同等の力を持つ相手がいないことが多い。もっと稽古の質を上げるために出稽古は有効だとされている。

稀勢の里が所属する鳴門部屋は、先代の鳴戸親方の意向により出稽古に出ることに消極的だった。確かな理由は私にはわからないが、確かに出稽古のデメリットはある。こちらの実力や手の内がわかってしまうことだ。研究の材料を与えてしまう。自分の部屋だけで強くなることができれば、理想的には違いない。出稽古の長所・短所どちらを取るか。

稀勢の里にはほとんどの親方や解説者が出稽古の必要性を説いていた。期待されながらいつも今一つである稀勢の里、言われても仕方がない。稀勢の里にライバル心を燃やす日馬富士が、今年になって横綱にもかかわらず鳴門部屋に出稽古に連日出向いて実力を伸ばした、ということにも刺激を受けたのであろう。

今場所前、稀勢の里は精力的に出稽古に出た。解説の北の富士氏は彼を注目力士の一番手に挙げ、舞の海氏には「全力士の中でいちばんいい稽古をしていた」と言わしめた。絶賛である。そう言うのは私もわかる。しかし、忘れてやいませんか。稀勢の里とは今まで期待を裏切ってきた力士だということを。

危なかった、今日の稀勢の里。脇の甘さは健在。妙義龍に土俵際で逆転の小手投げで辛勝した。いつまで経ってもはらはらさせてくれる力士だ。どうなることやら。

初日。北の富士、舞の海、藤井アナのトリオで「始まったなあ」という、この感じがいいね。今場所は外出機会が多く、抜ける日が多くなりますがよろしくお願いします。うち一日はとうとう国技館で観戦する予定。

平成25年大相撲春場所 千秋楽

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荒れた春場所も、終わってみれば白鵬の9回目の全勝優勝。8回の双葉山、大鵬を抜いたとされる。優勝回数24は北の湖に匹敵。白鵬の独壇場だった時期が長く(今もか?)強さは単純に比較できないものの、名横綱であることは間違いなかろう。

横綱対決を心配していた。昨日も横綱らしからぬ負け方で集中力がぷっつり切れたと思われる日馬富士。一方、様々な記録がかかる白鵬。立ち合い後すぐに日馬富士がばったり落ちる光景が目に浮かんでいた。

しかし日馬富士は今できる限りの抵抗はしてくれたと思う。突き刺さるような立ち合いは今日は有効で、自然に左四つに組み合った。日馬富士はまわしを引きつけて土俵際まで寄ったが、白鵬は左からの上手投げでこらえた。解説の北の富士氏は日馬富士が寄るときに外掛けをかけても面白かったと指摘。なるほど。日馬富士が体調万全ならそうしていたかも。

日馬富士は続けて寄り立てたが、白鵬はなんとか我慢し、土俵中央まで戻した。そしてすかさず腰を振って日馬富士の左下手を切った。日馬富士は右上手一本、白鵬は左下手一本で半身の状態。体勢は前傾姿勢の日馬富士が有利。

白鵬は右手で日馬富士の腰をポンと叩いた。これを白鵬はよくやる。まわしを取りにきたかと思った日馬富士の体がピンと動く。それに乗じて白鵬は左からの下手投げ。この合わせ技がうまい。日馬富士は左足一本でケンケンして残した。足首を傷めているのによく残した。

残して体勢が戻る際に日馬富士はまた左下手を取った。そして右を巻き替える。成功して右も下手になればもろ差しだ。しかし成功した瞬間に白鵬にも右を巻き替えられた。これで右四つのがっぷりに変わった。この一連のお互いの動きの素早さ。スローで見ないとわからないほど。

長い膠着状態。お互い何を考えているのか。白鵬は意を決してまわしを引きつけ日馬富士を起こして、右にカニ歩きに近い形で寄って行った。いわゆる「横づり」。白鵬は右の下手を取っているので、右に横づりするのが定跡だ。基本通りの手堅い相撲。土俵に左足が当たって、そこで再び一本足でこらえる日馬富士。足首は大丈夫か。最後は崩れるように落ちて、左足をかばう日馬富士。手に力が入る熱戦だった。汗びっしょりの白鵬は今日も間違えて東に戻りかけるほど、集中していた。15個目の白星は簡単ではなかった。

さすが横綱対決。日馬富士は結局6敗もしてしまい、きっと横綱審議委員会のおっさん連中からは苦言が呈されるだろうが、今日の相撲は評価してあげてほしい。

優勝インタビューで白鵬は、1月に亡くなった大鵬さんへの黙祷を提案し、館内全員で行った。これには驚いたが、その気持ちが嬉しかった。自分が強くなっても先人を敬い尊ぶ心。人間的にもかなわない人だ。

雅山の引退も、覚悟はしていたけれど、大きなニュース。大関にまで上がって、陥落してからも腐ることなく真摯に相撲を取り続けた。引き技は私は好きではないのだが(好きだという人はまずいまい)、雅山のは別格。引く前の押し、駆け引き、引くタイミング、それらが組み合わさった名人芸だった。若手が苦し紛れに引くのとはモノが違う。が、年齢には勝てず、押す力が弱くなって通じなくなった。これからは二子山親方となって、ゆくゆくは部屋を再興するのかな。

問題の大関陣は稀勢の里が10勝、琴奨菊と鶴竜が8勝どまり、琴欧洲は休場で来場所カド番。もうここらに期待しても仕方ない。
豪栄道、栃煌山は10勝で、大関を狙うにはまだ遠い。稽古してひと皮剥けるのはいつの日か。把瑠都は9勝、白鵬キラーとしての存在を期待する。

体調が悪かった安美錦に代わって新小結に上がりそうなのが隠岐の海。跳ね返されるだろうが、1人でも上位陣を倒せるか。前頭上位に上がってくる北太樹にも同じことが言える。

今場所は藤井康生アナのテレビの実況が4回、ラジオが2回もあった。千秋楽の北の富士、舞の海、藤井による場所の振り返りには今日も楽しませてもらった。隠岐の海についての談義は、ここで文字に起こしたいくらいだった。

今回もお付き合いありがとうございました。また、来場所。

平成25年大相撲春場所 七日目

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横綱との対戦でここでも取り上げた千代大龍が今日から休場。右足の中足骨の骨折だそうだ。驚いた。昨日の白鵬との対戦でやったのだろうな。そんな気配は感じられなかった。横綱を敗っているので勝ち越せば敢闘賞というボーナスももらえたのにな。世の中、そんなにうまくはいかない。

栃乃若も休場。大腿二頭筋の筋断裂で2か月の加療を要するらしい。こちらは昨日まで6連敗、右太ももの包帯が痛々しく、そもそも出場することに無理があった。今場所も休場力士が多い。豊真将も今年に入ってから見てない(おそらく来場所は幕下に陥落)。現地での観戦を楽しみにしている者(=私)にとっては寂しい限り。

両横綱は今日も安泰。日馬富士は地元大阪出身で声援が大きい勢(いきおい、というしこ名)に手こずった。勢は自分の得意な右の下手にこだわった。取るのに失敗しても何度もトライ。この姿勢は大いに良かったと思う。日馬富士は捕まえることができず、焦って張り手を連発(この「横綱の張り手」に舞の海さんが苦言。私も同感)。最後はまわしを取って寄り倒した。日馬富士も勢も機敏な動きが光った。

白鵬は時天空相手に珍しくも時間前に(=制限時間いっぱいになる前に)立った。時間前の白鵬、私は初めて見たんじゃないかな。すぐに左で前まわしを取り、投げで体勢を崩してから寄り切った。

試合後の談話:白鵬「時天空から立つぞ立つぞという気を感じて、立てるものなら立ってみろ、と自分から立った」。
時天空「横綱に勝つには(意表を突いて)時間前に立つしかないと思った。白鵬が立ったとき行司が止めるような素振りをしたので対応が遅れてしまった」。

気づかなかったが、VTRで見ると確かに時天空は気合い十分で仕切っていた。しかし、白鵬に先に立たれて主導権を握られたのでは何にもならない。作戦は大失敗。それにしても白鵬の「立てるものなら立ってみろ」という気の強さはさすがだ。

昨日ここでちょっと期待を寄せた把瑠都、土俵際できれいに飛んで、負けた。何をするにも派手な人だ。これを「華がある」と言うのだろうか?こういう力士も上位にいてもらわないとね。しかし、私が期待するとダメなのか?寂しいな。勢いよく出たら、高安に右下手を切られて苦し紛れに投げられて、飛んだ。

苦し紛れというと豪栄道もだ。栃煌山に体勢十分にされて寄られて苦し紛れに下手投げを打ったのが、運良く決まった。これも豪栄道らしい。勝てたからいいや、と思うのか、十分になられたのを大いに反省するのか。これが大関になれないか、なれるかの分岐点、と言うのは厳しいかな。

テレビのゲストは元・高見盛の振分親方だった。朝青龍の右のかいなを返して勝ったVTRが流れた。相手のかいな(=腕)を返すとは、相手の脇に差し込んだ腕を徐々に上げること。相手の腕はそれが邪魔になってバンザイのような格好になり、全く使えなくなる。とても有効な技だ。高見盛は独特のパフォーマンスばかりが注目されるが、右のかいなを返す名人だった。そりゃあもう、面白いくらいに返していた。朝青龍にそれで勝った相撲、思えばそこが高見盛という力士の全盛時だったかもしれない。

入門時のインタビューや、貴乃花との一番や、曙の土俵入りで露払いを務めたとき、そして右肩を柱に思い切りぶつけて稽古する風景などのVTRも紹介された。あらためて、個性的な力士だった。それにしても、入門時のメガネのレンズの大きさは半端じゃなかった。顔の半分くらいがレンズだった。ホントの話。コントみたい。

そんなテレビの中継の裏でラジオを担当していたのが藤井アナ。ラジオは今場所もう2回目。珍しいなあ。テレビの十両の実況は刈屋さんで、これも2回目。ベテラン、働いている。

雅山の連敗がストップした。よかった。