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平成25年大相撲春場所 七日目

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横綱との対戦でここでも取り上げた千代大龍が今日から休場。右足の中足骨の骨折だそうだ。驚いた。昨日の白鵬との対戦でやったのだろうな。そんな気配は感じられなかった。横綱を敗っているので勝ち越せば敢闘賞というボーナスももらえたのにな。世の中、そんなにうまくはいかない。

栃乃若も休場。大腿二頭筋の筋断裂で2か月の加療を要するらしい。こちらは昨日まで6連敗、右太ももの包帯が痛々しく、そもそも出場することに無理があった。今場所も休場力士が多い。豊真将も今年に入ってから見てない(おそらく来場所は幕下に陥落)。現地での観戦を楽しみにしている者(=私)にとっては寂しい限り。

両横綱は今日も安泰。日馬富士は地元大阪出身で声援が大きい勢(いきおい、というしこ名)に手こずった。勢は自分の得意な右の下手にこだわった。取るのに失敗しても何度もトライ。この姿勢は大いに良かったと思う。日馬富士は捕まえることができず、焦って張り手を連発(この「横綱の張り手」に舞の海さんが苦言。私も同感)。最後はまわしを取って寄り倒した。日馬富士も勢も機敏な動きが光った。

白鵬は時天空相手に珍しくも時間前に(=制限時間いっぱいになる前に)立った。時間前の白鵬、私は初めて見たんじゃないかな。すぐに左で前まわしを取り、投げで体勢を崩してから寄り切った。

試合後の談話:白鵬「時天空から立つぞ立つぞという気を感じて、立てるものなら立ってみろ、と自分から立った」。
時天空「横綱に勝つには(意表を突いて)時間前に立つしかないと思った。白鵬が立ったとき行司が止めるような素振りをしたので対応が遅れてしまった」。

気づかなかったが、VTRで見ると確かに時天空は気合い十分で仕切っていた。しかし、白鵬に先に立たれて主導権を握られたのでは何にもならない。作戦は大失敗。それにしても白鵬の「立てるものなら立ってみろ」という気の強さはさすがだ。

昨日ここでちょっと期待を寄せた把瑠都、土俵際できれいに飛んで、負けた。何をするにも派手な人だ。これを「華がある」と言うのだろうか?こういう力士も上位にいてもらわないとね。しかし、私が期待するとダメなのか?寂しいな。勢いよく出たら、高安に右下手を切られて苦し紛れに投げられて、飛んだ。

苦し紛れというと豪栄道もだ。栃煌山に体勢十分にされて寄られて苦し紛れに下手投げを打ったのが、運良く決まった。これも豪栄道らしい。勝てたからいいや、と思うのか、十分になられたのを大いに反省するのか。これが大関になれないか、なれるかの分岐点、と言うのは厳しいかな。

テレビのゲストは元・高見盛の振分親方だった。朝青龍の右のかいなを返して勝ったVTRが流れた。相手のかいな(=腕)を返すとは、相手の脇に差し込んだ腕を徐々に上げること。相手の腕はそれが邪魔になってバンザイのような格好になり、全く使えなくなる。とても有効な技だ。高見盛は独特のパフォーマンスばかりが注目されるが、右のかいなを返す名人だった。そりゃあもう、面白いくらいに返していた。朝青龍にそれで勝った相撲、思えばそこが高見盛という力士の全盛時だったかもしれない。

入門時のインタビューや、貴乃花との一番や、曙の土俵入りで露払いを務めたとき、そして右肩を柱に思い切りぶつけて稽古する風景などのVTRも紹介された。あらためて、個性的な力士だった。それにしても、入門時のメガネのレンズの大きさは半端じゃなかった。顔の半分くらいがレンズだった。ホントの話。コントみたい。

そんなテレビの中継の裏でラジオを担当していたのが藤井アナ。ラジオは今場所もう2回目。珍しいなあ。テレビの十両の実況は刈屋さんで、これも2回目。ベテラン、働いている。

雅山の連敗がストップした。よかった。

平成25年大相撲春場所 五日目

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初日以来の落ち着きだ。今日の横綱・大関陣は5勝1敗。その1敗は琴欧洲。把瑠都に一方的に敗れて4連敗。「落ち着き」と言うのは琴欧洲に失礼か。

鶴竜が高安に手こずったことを除けば、あとの4人は危なげなかった。白鵬の充実ぶりは続いていて、彼にしては珍しい「とったり」という決まり手で栃煌山を退けた。これも反応の良さ。当たりが強くなく右手が中途半端だった栃煌山の腕をとっさに手繰って省エネ勝利。体が自然にそう動くのだろうな。今場所3大関を破っている栃煌山なので熱戦が期待されたが、足も出ていかず勝負は呆気なかった。初日を切り抜けて以来、白鵬に隙は見当たらない。

日馬富士も今日は本来の相撲だった。相手の妙義龍は同じタイプの力士。低く強く速く当たって相手を突き起こす。自分の前傾姿勢は崩れないし、前にも決して落ちない。こういう相撲は魅力だ。日馬富士はこれを徹底しているので、軽量にもかかわらず横綱に昇進できた。体格的に恵まれている妙義龍にも大関・横綱のチャンスは十分にある、と見る。カギはケガとの付き合い方と稽古の継続だ。

同じタイプ、変なことをせずまともに来る、ということで、日馬富士にも迷いがなかった。どちらがより低く強く速く当たれるか、相手を突き起こせるか。実力・経験の差か、開き直りの境地か、日馬富士がまさった。妙義龍の突きに横綱の左足が流れた場面がありハッとはしたものの、素早く背後に回り込んで送り倒した。妙義龍も速い力士なのだが、今日は完敗。

そして琴奨菊が昨日からいい相撲を取っている。攻めが厳しく、休まない。顔つきも違ってきたように見え、序盤の連敗、加えて同部屋の琴欧洲のふがいなさが相当こたえているようだ(そうであってほしい)。稀勢の里も千代大龍に二匹目のドジョウは許さず、引き技に冷静についていった。

しかし、ここらへんの大関陣はその日暮らしだからなあ。誉めた翌日に負けなきゃいいけど。

上位陣以外の話題も。時天空-阿覧は長い相撲になり(時天空は得てして長い)、時天空のまわしが緩んできたので行司が「まわし待った」をかけて一時休戦。その間に行司がまわしを締め直し、休戦中も体勢は維持しておかねばならない。VTRの一時停止みたいに。動いてしまうと有利不利ができるからね。これはルールだ(暗黙なのか明文化済みなのかは不明)。

だが、動いて組み手をほどいてしまった。おそらく阿覧からほどいたのだと思う。阿覧という力士はロシア出身とはいえ幕内にもう4年以上いるにもかかわらず、相撲の細かいルールをまだ把握できていないフシがある(笑)。以前も「水入り」を知らなかった(このときも相手は時天空。水入りとは取組が長くなって両者が疲労してきたことによる中断)。水入りを知らなかったのだから、まわし待ったも知らなかった可能性は十分ある。おもしろい力士。

テレビの実況は一昨日から中一日で藤井アナ。解説は八角親方。いつも気づきとなることを言ってもらえる。今日メモったのは「すくい投げは前に出ながら投げると決まる。下がりながら投げるとケガに繋がる」。勉強になりました。

平成25年大相撲春場所 三日目

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三日目にして横綱・日馬富士に早くも土。言い古された言葉だが、勝負事は本当に何が起こるかわからない。だから面白い。番狂わせがなかったら、誰も見ない。

とは言うものの、敗因がお粗末だった。100パーセント油断。相手の高安は先場所12勝して地位を上げてきた、期待の星。しかし上位との力の差はまだあり、昨日は白鵬に全く歯が立たなかった(昨日は白鵬が完璧だったこともあるが)。押っつけ(=体を押すこと)がうまくて力も強いので、相手としては立ち合い後からそれを喰らわずに捕まえれば、大丈夫だ。

日馬富士は今日も低く当たって、左の下手がすぐ入り、右でも体を押さえつけた。高安はやっぱり脇が甘い(兄弟子の稀勢の里にそっくりだ。余談)。そのうち右も下手になり、すなわち横綱がもろ差し。こうなれば高安に勝ち目はない。押されて土俵際に。誰もが日馬富士の勝ちを確信した。実況の藤井さんも「寄り切り」と言おうとしたそうだ。

そのとき、日馬富士の左足が流れてしまった。体の動きに足がついていかない格好で土俵に着いてしまった。高安も苦し紛れに突き落とすような素振りをしていて、それも効いたと思っていたのだが、ビデオで見るとほとんど関係ない。日馬富士の自滅だ。体勢十分のもろ差しで土俵際まで寄って「もう勝った」と思った瞬間の心の隙。

慌てる必要はなかった。足を大事に運べばよかったし、もっと安全策をとってまわしに手を掛けておいてもよかった。まさかの一敗。もったいない。

白鵬は、まるで昨日のビデオのようだった。左で前まわし、右で下手。あっという間の出来事。舞の海さんが解説するように、ここから無理に寄って行かないところが、白鵬の余裕だ(日馬富士にはこれがなかった)。相手の栃ノ心の状況を肌で感じて、バランスを崩していると判断するや、揺さぶって、その流れで上手投げ。きれいに決まった。

そして、今日も大関が3人敗れた。鶴竜、琴奨菊、琴欧洲。いずれも惜しい負けとは言い難い。もう詳しく書くのはやめておこう。琴欧洲を教える立場にある秀ノ山親方の解説だけ紹介する。

「(弱点と対策は)これまで何度も教えているが、できない、直らない」

残念だけど、これでは打つ手がない。

今日の幕内の放送は舞の海、秀ノ山、藤井アナで、技術的な話題が多く、通好みだった。
十両は式秀、吉田アナ。式秀親方は本当によく喋る。取組中に叫んだりする。変わった人だ(笑)。高見盛より変わってると思う。そして、言うことが的確なのが憎いところ。

さあ、日馬富士にもう油断は許されない。