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平成25年大相撲初場所 十一日目

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十両にいる高見盛が負け越してしまった。幕下の千昇に押されて簡単に土俵を割った。元気な頃なら土俵際で体を反りながら残して、うっちゃったりしていたのだが、最近はそういう姿が見られなくなってきた。七勝なら来場所十両残留、六勝以下なら幕下へ陥落すると言われている。現在は三勝。残りは四日間。引退の判断も含めて、状況は厳しい。思うような相撲が取れないなら、潮時かな。

今場所も十両でいい取組が多い。小さい体の里山は相手の懐に潜って頭をつけて、連日の長い相撲。勝っても負けても拍手が湧く(=お金の取れる相撲)。双大竜もそうだ。大きい体の大喜鵬も、意外と小回りがきくので面白い。幕内に上がるとたいてい跳ね返されてしまうのだが、十両は十両で独特の世界がある。

さて日馬富士、白鵬、稀勢の里。今日もいずれも勝って星の差は変わらずだった。対戦相手との力関係からすると、三人とも勝って当然と予想していた。波乱は起きなかったね。

しかしさすが稀勢の里!ヒヤッとさせてくれた。立ち合いが高く(=仕切りから立ったときの姿勢が高い。前傾が不十分)、当たりの威力もあまりなかったので、魁聖の力をまともに受けてしまい土俵際まで一気に押し込まれた。ここが横綱と決定的に違うところ。なんとなく相撲していると言うか、意図がないと言うか、集中力がないと言うか。押されて目が覚めて慌てて体を左にかわしながら相手を押すと、勢いがついていた魁聖は立ち止まるのが精一杯。ダメを押されて土俵の外に。相手が魁聖で助かった。対戦前の解説でラジオの秀ノ山親方(元・琴錦)「正直、稀勢の里に負ける要素が見つからない」テレビの谷川親方(元・北勝力)「まず、勝つでしょう」。にもかかわらず、これ。ま、勝ったからいいけどね。目が離せない力士だよ、全く。

日馬富士の速攻は今日も色あせない。相手はまわしを取らせると厄介な琴欧洲(=まわしを取らせなければよい)。低く鋭く当たって軽くのど輪も交えて琴欧洲の体を起こした。一旦離れて、またぶつかる素振りを見せてから頭をちょっとすくめ(これが憎い)左に少し動いて上手を取って横についた。向き直ろうとした琴欧洲はバランスを大きく崩し、自ら倒れてしまった格好だ。勝った後、日馬富士は左足首を気にしていた。また傷めたのか。心配だ。

白鵬もずっと同じパターン。立ち合い後すぐに左上手、そして右差し。今日はここからが違った。琴奨菊に上手を切られた。右差しも浅い。危険を感じたのだろうか、ここで白鵬は両手を抜いて突っ張りに出た。この判断の速さ。しかしその後の流れで左四つ(お互いに左下手、右上手)になってしまった。左四つは琴奨菊の得意な形。案の定琴奨菊に押し返されて、こらえた。琴奨菊は白鵬の下手を切る動作。でも切れない。が、白鵬にとっては形が良くない。すかさず右を巻き替えて(=上手を離してあらためて下手として取り直す)もろ差し(=左右とも下手)になった横綱は、一気に寄って琴奨菊を押し出した。琴奨菊は得意の左四つになったときに何かできなかったかなあ。投げで崩すなり、引きつけて前まわしに持ち替えるなり。相手は白鵬。チャンスは一瞬しかない。それを逃さない勝負勘の面で、まだまだ白鵬には及ばない。

全勝:日馬富士、一敗:白鵬、二敗:稀勢の里と高安。状況は同じ。把瑠都も押し相撲が復活して五敗を守った。
稀勢の里と横綱の対戦は明後日から。このまま行くのか。行ってほしい。

明日のラジオの実況は藤井アナ。最近は一場所一回のみ。

平成25年大相撲初場所 八日目

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今日も正午に当日券が売り切れたそうだ。三度目の満員御礼。今場所はあっけなく決まる相撲も少ない。横綱も落ち着いてきたし、やはり相撲内容の充実が客を呼ぶのだと思う。

その横綱陣。今日も二人とも危なげなかった。白鵬は昨日のビデオテープを見ているが如く、魁聖にすぐ右を差して左上手も取った。すかさずの上手投げがきれいに決まって、大きな魁聖は裏返し。横綱相手にまともにいきすぎ。突き放して慌てさせるなどの工夫が欲しい。

日馬富士の相手は臥牙丸。その体型から容易にわかるように、力をまともに受ければ一発で土俵中央から外へ吹っ飛ばされてしまう。反面、巨体を支える足腰に課題がある。左右、前後に動かしさえすれば足がついていかず極めて不安定になる。力を受けずに動かす、これが臥牙丸への攻め方。

横綱は今日も素早く立って、のど輪も交えて臥牙丸の体を起こした。攻めたい臥牙丸の重心は前へ。横綱がタイミング良く左へ動くと臥牙丸は「おっとっと・・・」。向き直った巨漢に再びのど輪で攻めてから、また手を引っ張りながら左に動くと、臥牙丸はつっかえ棒がなくなったかのように自らバッタリ倒れた。完勝。お手本のような相撲。いなした後に横からまわしに手をかけて、出し投げを打ってもよかった。

大関陣は鶴竜を除いて勝利。稀勢の里の相撲が落ち着いてきた。どっしり感が出てきた。松鳳山に押っつけられても慌てず、左で押っつけて右上手を取って捕まえて、左を差し込んで、胸を合わせて、確実に寄り切った(松鳳山の押っつけに威力がなかったこともあるが)。稀勢の里の勝ちパターンはこれだと思うんだけどなあ。これに持ち込めないときに、いかに我慢するか、だ。

把瑠都も連日の思い切った突き放しで、相撲巧者の安美錦に何もさせなかった。把瑠都もこの相撲に徹するべきなのかな。大関昇進を決めた頃も基本は突き放しだった。これができないときに、いかに耐えるか。稀勢の里と同じ。堪え忍んで勝っていけることが、上位安定の条件かもしれない。

大鵬さんに関する、北の富士さんの話が中継の合間に散りばめられていて面白かった。稽古の人だったようだ。巡業中に大関陣をつかまえて1時間半の稽古をしたそうだ。上体の柔らかさ、差し身(下手を取ること)のうまさ、足腰の強さ。大鵬関にはとてもかなわなかったと言っていた。二人の対戦の映像も流されて興味深かったが、もっと他の対戦映像も見たかったな。全盛時に全勝優勝したときの十五日間を連続再生で、とか。あるでしょ、NHKには。

明日から後半戦。大関どうしの対戦も始まる(誰も優勝争いに絡んでないけど)。横綱-関脇戦もある。両横綱による千秋楽決戦に期待が膨らむ。

平成25年大相撲初場所 七日目

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元横綱大鵬の納谷幸喜さん死去のニュースが十両の取組中に伝わってきた。私の記憶に残っている最初の横綱は大鵬だ(柏戸の記憶はなぜかない)。取り口などは覚えてないが、史上最多でまだ破られていない32回の優勝回数が示すように大横綱だった。貴乃花とも朝青龍とも白鵬とも親交があったと聞いている。それだけ慕われていた。明日からのテレビ中継で大鵬の取組がいくつも放送されることだろう。

上位陣は琴奨菊を除いて安泰。両横綱が安定している。日馬富士は連日の速攻。見ていて気持ちがいい。相手は大きい魁聖。まわしを与えたら力で持って行かれる。日馬富士は立ち合い後すぐに強烈なのど輪。狙っていた。魁聖はたまらず横向きに逃げた。その機を逃さず左上手を取って出し投げ。動き始めている大きな体は止まらない。振り回された魁聖の後ろについた横綱は、丁寧に送り出して決めた。この一連の動きがスムーズだ。これからの日馬富士も楽しみになってきた。

白鵬も豊響相手にすぐ右を差した。豊響も一応左脇を締めて対抗したが、難なく差されて左上手も取られた。横綱十分、いや十二分の体勢。豊響も力が強いので土俵際まで押されたものの、危ない感じは全くせず、余裕だ。横綱は左に回り込んで相手について来させ、その勢いも利用して左からの上手投げ。苦し紛れの投げではない。考えられた、完璧な相撲。おそらく自然に体がそう動いているのだろう。強い。格が違う。横綱が慌てさせられる相撲も面白いが、このようなタイプの違う落ち着いた取組を最後に二番見られて、納得だ。

テレビの解説は相撲協会・前理事長の武蔵川親方(元・三重ノ海)。昨日に続いて珍しい顔。武蔵川さんも定年だからね。理事長時代は不祥事の対応に追われたため厳しい顔しか見られなかったが、今日は一人の力士・親方としての顔だった。安心した。私の小さい頃、三重ノ海の名前もよく耳にした。成績を確認すると、大関・関脇時代が長かったのだなあ。横綱在位は六場所だ。今日の放送では懐かしい映像、懐かしい力士がいっぱい出てきた。大鵬、輪島、旭國、・・・。一時代を築いた人だ。

横綱に昇進したときに先代の武蔵川親方から「一簣功(いっきのこう)」という言葉を贈られたそうだ。簣(き)は土を運ぶ篭(かご)のこと。土を入れて一つずつ運んでいかないと大きな山は作れない。上に行くほど運ぶのが辛くなる。そして最後の一つを積み上げないと山は完成しない。
私も肝に銘じます。

琴欧洲は前傾姿勢かつ腹が大きい臥牙丸の前まわしを引いて出し投げの勝利。手が長い彼しか取れない相撲。
松鳳山は粘ってこらえて残して諦めず、逆転の小手投げで客席を沸かせた。相手は大関の琴奨菊だった。
豪栄道の相撲が粗くなってきた。まわしを取れなかったら引いてしまう悪い癖。二桁勝利をあげれば来場所は大関獲りで盛り上がるのに。

舛ノ山は相手のまげに指が入ってしまって反則負け。残念!もちろん故意ではない。客席からも解説陣からもブーイング。
雅山、今日は気迫を見せたが七連敗。

隆の山は魅せた。とったり、一回転、うっちゃり。取り直しになって立ち合いに当たらず右に思い切り変わって、千代の国が鉄砲玉のように土俵の外へ飛んで出た。隆の山の涼しい顔。千代の国の悔しい顔。

午前十時にチケットが売り切れ、札止めになった。相撲人気上昇傾向、か?

ラジオで沢田石和樹アナが栃乃若を「たかのわか」と実況。解説の北の富士さんが指摘。
「たかのわか??オレの聞き間違いかな?(笑)」「いえ、栃乃若です・・・」