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平成25年大相撲夏場所 四日目

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4大関が揃って初日から4連勝。23年ぶりだそうだ。当時の大関は小錦、霧島、北天佑、旭冨士。名力士ばかりだ。今の稀勢の里、鶴竜、琴奨菊、琴欧洲も、後に名力士と呼ばれるようになるのだろうか。

稀勢の里が二日目以降は落ち着いている。不利な体勢でもバタバタせず、焦らない。どっしり受け止めている。しかし、見方を変えると立ち合いがまだ甘い。今日はもろ差し(左右とも脇に腕を入れること)が得意な栃煌山に、あっさりともろ差しを許してしまう。腰も高い。土俵際で馬力で何とか押し戻して左を差せた。その後も栃煌山にずいぶん振り回されたものの、ついて行き、攻めが止まった栃煌山を左差しを活かしてきれいにすくい投げた。栃煌山は止まると負けるのだ。こらえた稀勢の里が、今日は一枚上だった。

琴欧洲もバタバタしない。足のケガの具合は決してよくないそうだが、丁寧にまわしを取る相撲を取っている。今日は把瑠都の胸に頭をつけて低い姿勢。左を差して右は上手を引いた。やがて右も巻き替えてもろ差しになり、寄って行って巨漢を押し出した。お手本のような相撲。やればできるじゃないか。もしかしたら琴欧洲のファンはこういう相撲を望んでいないのかもしれないが、カド番だからね。贅沢は言っていられない。

琴奨菊にも安定感がある。鶴竜は冷や汗ものだが。
いつまで続く、大関無敗。得てして、こういうことを書いた途端に途切れるものだ。

平成25年大相撲春場所 千秋楽

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荒れた春場所も、終わってみれば白鵬の9回目の全勝優勝。8回の双葉山、大鵬を抜いたとされる。優勝回数24は北の湖に匹敵。白鵬の独壇場だった時期が長く(今もか?)強さは単純に比較できないものの、名横綱であることは間違いなかろう。

横綱対決を心配していた。昨日も横綱らしからぬ負け方で集中力がぷっつり切れたと思われる日馬富士。一方、様々な記録がかかる白鵬。立ち合い後すぐに日馬富士がばったり落ちる光景が目に浮かんでいた。

しかし日馬富士は今できる限りの抵抗はしてくれたと思う。突き刺さるような立ち合いは今日は有効で、自然に左四つに組み合った。日馬富士はまわしを引きつけて土俵際まで寄ったが、白鵬は左からの上手投げでこらえた。解説の北の富士氏は日馬富士が寄るときに外掛けをかけても面白かったと指摘。なるほど。日馬富士が体調万全ならそうしていたかも。

日馬富士は続けて寄り立てたが、白鵬はなんとか我慢し、土俵中央まで戻した。そしてすかさず腰を振って日馬富士の左下手を切った。日馬富士は右上手一本、白鵬は左下手一本で半身の状態。体勢は前傾姿勢の日馬富士が有利。

白鵬は右手で日馬富士の腰をポンと叩いた。これを白鵬はよくやる。まわしを取りにきたかと思った日馬富士の体がピンと動く。それに乗じて白鵬は左からの下手投げ。この合わせ技がうまい。日馬富士は左足一本でケンケンして残した。足首を傷めているのによく残した。

残して体勢が戻る際に日馬富士はまた左下手を取った。そして右を巻き替える。成功して右も下手になればもろ差しだ。しかし成功した瞬間に白鵬にも右を巻き替えられた。これで右四つのがっぷりに変わった。この一連のお互いの動きの素早さ。スローで見ないとわからないほど。

長い膠着状態。お互い何を考えているのか。白鵬は意を決してまわしを引きつけ日馬富士を起こして、右にカニ歩きに近い形で寄って行った。いわゆる「横づり」。白鵬は右の下手を取っているので、右に横づりするのが定跡だ。基本通りの手堅い相撲。土俵に左足が当たって、そこで再び一本足でこらえる日馬富士。足首は大丈夫か。最後は崩れるように落ちて、左足をかばう日馬富士。手に力が入る熱戦だった。汗びっしょりの白鵬は今日も間違えて東に戻りかけるほど、集中していた。15個目の白星は簡単ではなかった。

さすが横綱対決。日馬富士は結局6敗もしてしまい、きっと横綱審議委員会のおっさん連中からは苦言が呈されるだろうが、今日の相撲は評価してあげてほしい。

優勝インタビューで白鵬は、1月に亡くなった大鵬さんへの黙祷を提案し、館内全員で行った。これには驚いたが、その気持ちが嬉しかった。自分が強くなっても先人を敬い尊ぶ心。人間的にもかなわない人だ。

雅山の引退も、覚悟はしていたけれど、大きなニュース。大関にまで上がって、陥落してからも腐ることなく真摯に相撲を取り続けた。引き技は私は好きではないのだが(好きだという人はまずいまい)、雅山のは別格。引く前の押し、駆け引き、引くタイミング、それらが組み合わさった名人芸だった。若手が苦し紛れに引くのとはモノが違う。が、年齢には勝てず、押す力が弱くなって通じなくなった。これからは二子山親方となって、ゆくゆくは部屋を再興するのかな。

問題の大関陣は稀勢の里が10勝、琴奨菊と鶴竜が8勝どまり、琴欧洲は休場で来場所カド番。もうここらに期待しても仕方ない。
豪栄道、栃煌山は10勝で、大関を狙うにはまだ遠い。稽古してひと皮剥けるのはいつの日か。把瑠都は9勝、白鵬キラーとしての存在を期待する。

体調が悪かった安美錦に代わって新小結に上がりそうなのが隠岐の海。跳ね返されるだろうが、1人でも上位陣を倒せるか。前頭上位に上がってくる北太樹にも同じことが言える。

今場所は藤井康生アナのテレビの実況が4回、ラジオが2回もあった。千秋楽の北の富士、舞の海、藤井による場所の振り返りには今日も楽しませてもらった。隠岐の海についての談義は、ここで文字に起こしたいくらいだった。

今回もお付き合いありがとうございました。また、来場所。

平成25年大相撲春場所 十四日目

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1年ぶりに観戦してきた。正面やや東寄りの前から10番目の枡席で3人。1時半から酒など飲み食いしながら、気の合う友だちとああだこうだ言いながら観る相撲は楽しい。VTRもないので「今、下手を取った!」とか細かいところはその時はわからない。が、テレビではわからない熱気がじかに伝わってくる。

大阪出身の豪栄道、勢への声援はものすごい。もう、成績や相撲内容には関係ないね。私はここで豪栄道に厳しいことを書いているが、その雰囲気に負けそうだった(でも席では言いたいこと言ってたけどね)。彼は声援に応える相撲をしなければいけない。それには今よりギアをもう数段階上げることが必要だ。ま、これからも期待せずに見守ることにしよう。

その豪栄道は隠岐の海相手に、今日は自分のペースだった。立ち合い後すぐに右上手を取り、小さな投げで体勢を崩したり崩されたりしながらも寄って行って、最後は右手一本と体の圧力で寄り切った。策のない隠岐の海だから勝てたとも言える。

立ってすぐにまわしを取って自分の形になれるかどうか、豪栄道の勝敗はそこにかかっている。思い通りにならなければ苦し紛れの引き、投げ。我慢して自分の体勢に持ち込もうというのがないから寂しい。それでも勝てて、なんとか関脇の地位を守れているだけに、かえって厄介なのだ。大阪に限らず、応援する声が大きいこともね。

稀勢の里が出てきたときも熱気で盛り上がった。豪栄道といい、稀勢の里といい、実力の片鱗が見えて頑張っているけれど、あと少し!・・・のような力士が応援されて、愛されるのかもしれないな。今日の稀勢の里は日馬富士とお互いに右の張り差し。お互いに失敗した感。日馬富士の体が起きていたので稀勢の里の突き離しが効いた。体勢を戻して左でまわしに一瞬手をかけた日馬富士の俊敏さは立派だが、稀勢の里の左からの強烈な突き落としに転がった。どちらが横綱かわからない相撲。勝った稀勢の里は「どや顔」。自分のゾーンに入ったときの彼は強い。ここらへんは豪栄道や栃煌山と同じだ。館内は割れんばかりだったけれど、そこには日馬富士の呆気ない負け方についての失望の声も混じっていた。

白鵬の所作も美しかった。土俵入りには気品を感じたし、蹲踞(そんきょ。つま先立ちで、膝が折れ曲がるまで深く腰を下ろした姿勢)の姿がきれいで、背中もまっすぐ伸びていた。今日の相手鶴竜には手こずって場内は沸いた。ちょっと熱くなったのかな、白鵬。鶴竜を左で張って、右で張って、下を向いた隙にもろ差し。そこからかいなを返してがぶって寄り切った。取組内容には気品はなかったな。張り手の応酬は私は好きではない。

十両に落ちて苦戦している雅山への拍手も大きくて暖かかった。幕下力士の対戦でも必ず何らかの声援が飛んで、思わぬ力士に応援団がいたりして面白かった。瞬間的に応援する方を決めてしこ名を叫んでいる観客もいたのだろうなあ。技術は拙いが十両に上がろうと必死に取る姿、体がぶつかり合う音、土俵下に落ちる音、現場で見るのもたまにはいいものだ。